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Flow Musicで人物が崩れない30秒MVができるまで7回|参照画像を変え続けて分かったこと

AIシンガー長堂太志のアーティストビジュアル(沖縄の海を背景にした立ち姿)

Google Flow Musicで、AIシンガー「長堂太志(ながどうふとし)」のデビュー曲『ニライカナイの声』のMVを作りました。

尺は30秒。たった30秒です。それに7回かかりました。

理由はひとつで、8秒ごとのカットの切り替わりで人物が別人になるから。この壁には以前も一度ぶつかって記事にしているんですが、今回は参照画像を差し替えながら粘って、ようやく崩れないところまで持っていけました。

先に結論だけ書いておきます。

結論!
参照画像は「高画質な実在人物の写真」より
「自分で生成した全身1枚」の方が崩れない。

実在アーティストの写真を参照にした2回は、どちらも途中で完全に別人になりました。ChatGPTで作った全身の立ち姿に切り替えた瞬間、一気に安定しました。

この記事では、7回のうち特に効いた5段階を、そのときの判断と実際に投げたプロンプトごと残しておきます。

完成したMV:長堂太志『ニライカナイの声』

まず結果から。これが7回目のアウトプットです。

YouTube Shortsで『ニライカナイの声』を見る
長堂太志のアーティストページ

沖縄県名護市出身という設定の、やんばるの風を歌うAIシンガーです。曲そのものは早い段階でいいものが出ていたので、詰まっていたのは完全に映像側でした。

前提:Flow Musicの動画は8秒単位でつながっている

Geminiの動画生成を触ったことがある人ならご存じの通り、生成される動画は基本的に8秒単位です。

つまり30秒のMVは、8秒クリップを4本つないだもの。つなぎ目が3箇所あるということです。

この継ぎ目が、僕が勝手に「魔の8秒」と呼んでいるポイントで、ここで顔・髪型・服装・体格、ひどいときは性別まで変わります。曲がどれだけ良くても、ここで人物が入れ替わると全部台無しになります。

1回目・2回目:実在アーティストの写真を参照にしたら、まったくの別人が出てきた

最初にやったのは、イメージに近い実在のアーティストの写真を参照画像として添付するという、いちばん素直な方法でした。

※参照に使った写真は他者に権利のある画像なので、この記事には掲載していません。以降も、載せているのは自分で生成したものだけです。

結果は……誰???

1回目の生成結果。参照画像とはまったく系統の違う男性が歌っている
▲ 1回目。参照にした人とは似ても似つかない人が歌い出しました

1カット目こそ雰囲気は近いんですが、カットが変わった瞬間にまったく系統の違う人が歌い出しました。

「色味がぼやけていて特徴を読み取れないのかも」と考えて、2回目はコントラストの強い、顔がくっきり写った写真に差し替えて再挑戦。

2回目の生成結果。夕暮れの海辺で歌う、これも別人の男性
▲ 2回目。コントラストの強い写真に変えても、やっぱり別人でした

これも誰???でした。

ここで分かったのは、参照画像の画質やコントラストの問題ではないということです。むしろ逆で、「実在の誰か」に寄せようとするほど、8秒ごとに"その人らしさ"を解釈し直してブレているように見えました。

3回目:3枚まとめて添付して「短髪・髭・ワイルド」を狙う → ワイルド……?

次は方針を変えて、参照画像を3枚まとめて添付しました。短髪で髭のある、ワイルドな雰囲気のアーティスト像を狙った選定です。

枚数を増やせば特徴が平均化されて安定するだろう、という読みでした。

出てきたのは、清潔感のある爽やかな好青年でした。

3回目の生成結果。海辺でマイクを持つ爽やかな印象の青年
▲ 3枚まとめて添付した結果がこれです。ワイルド……?

ワイルド……?

枚数は効きませんでした。むしろ複数枚の平均を取った結果、尖った特徴が全部丸められて、いちばん無難な顔に着地した感じです。「参照画像は多いほど安定する」は、少なくともここでは成り立ちませんでした。

4回目:ChatGPTで全身画像を作って参照にしたら、一気に近づいた

ここが転換点でした。

他人の写真を探すのをやめて、ChatGPTに全身の立ち姿を生成してもらい、それを参照画像にしました。

意識した条件はこのあたりです。

  • 顔アップではなく全身が入っている
  • 一人だけが写っていて、背景は無地に近い
  • 服装のシルエットがはっきりしている(黒のロングコート、ブーツ)
  • 言葉で説明できる特徴を持たせる(Tシャツのプリント、ウォレットチェーン)
ChatGPTで生成した参照用の全身画像。黒のロングコートにプリントTシャツ、ウォレットチェーン、ブーツ
▲ ChatGPTに作ってもらった参照用の全身画像。これ1枚だけを添付しました

これで生成したら、ワイルド感も出て、カットが変わっても同じ人のままでした。完璧ではないものの、ここまでの3回とは明らかに別次元です。

なぜ効いたのか、自分なりの解釈はこうです。

  • 実在の人物写真は「参考」ではなく「正解」として扱われる。8秒ごとにその正解へ寄せ直そうとして、そのたびに解釈が変わる
  • AI生成画像は最初から破綻がなく、素性が一貫している。写真特有の影・角度・ノイズがないぶん、読み違えようがない
  • 全身画像だと体格・身長・服のシルエットまで固定される。顔アップだと、カメラが引いた瞬間に体が自由に作られてしまう

つまり参照画像に必要なのは「情報量」ではなく「曖昧さのなさ」でした。ちなみにこの「狙った1枚を作る」側のコツはChatGPTの画像生成の記事にまとめてあります。

5回目〜7回目:直すときは「前回を褒めてから、差分だけ言う」

いい線まで来たので、ここからは細かい調整です。

このとき実際に投げたプロンプトが、そのままこれです。

▼ 実際に投げたプロンプト(原文ママ)

キャラが壊れていない凄く良い!
今回の人物の顔を端正にして髪も少し添付した感じに一部だけ染めて、軽くモヒカンチックにワイルドにして再度生成してほしい

見ての通り、めちゃくちゃざっくりです。英語の呪文も、細かいカメラ指定も入れていません。でもこれが一番効きました。

効いた理由は、冒頭の「キャラが壊れていない凄く良い!」だと思っています。

  • いまの出力のどこが正解なのかを先に明示している。 これがないと、直したいところ以外もまとめて作り直されます
  • 変更点を「顔・髪色・髪型」の3つだけに絞っている。 全部を書き直すと、当然ながら全部変わります
  • 日本語のざっくりした指示で通る。プロンプトを長くするほど良くなるわけではない

結果、髭はなくなりましたが、顔立ちが安定してイケメン感が出ました。これで完成としています。

7回目の最終アウトプット。一部を明るく染めたモヒカンチックな髪型の男性
▲ 7回目。髪を一部だけ染めて軽くモヒカンに。ここで止めました

正直に言うと髭は残したかったんですが、そこを押すとまた顔全体が変わるリスクがありました。AI生成は引き際も大事です。7回目で止めたのは、8回目でよくなる保証がどこにもなかったからです。

7回やって分かったこと

  • 参照画像は「実在の人物写真」より「自分で生成した画像」の方が崩れにくい
  • 顔アップより全身。体格と服のシルエットまで固定できる
  • 参照画像は増やすほど良いわけではない。3枚添付は特徴が平均化されて逆効果だった
  • 言葉で言い切れる特徴(髪の一部染め、コートの形、チェーン)を持たせると維持されやすい
  • 修正指示は「前回の良かった点を明示してから、変える点だけ」。全体を書き直させない
  • 30秒=8秒×4カット、つなぎ目は3箇所。そこだけ見て判定すれば確認が早い
  • 権利の面でも、実在の人物写真を参照に使うのは避けたほうがいい。結果的にAI生成画像の方が精度も高かった

まとめ

以前の失敗談では「個性的な見た目のキャラクターは維持されやすい」というところまで分かっていました。今回はその先で、そもそも参照画像を他人の写真から自作画像に変えるだけで、体感がまるで違うというのが一番の収穫です。

Flow Musicで人物が崩れて困っている方は、まず参照画像を1枚の全身AI生成画像に差し替えてみてください。プロンプトを盛るのは、そのあとで十分だと思います。

30秒で7回。効率はよくないですが、崩れないMVは作れます。またいろいろ試したら、失敗も含めて記事にします。

※本記事の内容は2026年8月時点のものです。生成AIのモデルは更新されるため、同じ手順でも結果が変わる場合があります。
※長堂太志はMACHI CREATEによる架空のAI音楽アーティスト企画です。掲載しているビジュアルはAI生成のイメージであり、実在人物のプロフィールではありません。

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