📌 AI関連

同じゲーム仕様書を3つのAIに渡したら、まったく違う3Dゲームが返ってきた

同じゲームの仕様書を1枚だけ用意して、Claude・Antigravity・Codex の3つに丸ごと渡してみました。

結果から言うと、3本とも最後まで遊べる形で返ってきました。ただ、出てくるスピードも、見た目も、作りの粘り強さも、びっくりするほど違いました。

江戸風の町の広場に立つピンク髪の女の子。石畳、桜、井戸、石灯籠が並んでいる
Claude版の中央ひろば。同じ仕様書からこういう町が出てきます

私はエンジニアではないので、コードの良し悪しまでは判定できません。あくまで「注文どおりのものが、どれくらいの速さで、どんな顔をして出てきたか」という素人目線の記録です。3本とも実際に遊べるようにしたので、よかったら触ってみてください。

何を作らせたのか

お題は「江戸時代風の町を、かわいい女の子3人を切りかえながら、ただ歩いて楽しむ3Dゲーム」です。

  • 戦うゲームにはしない。町歩き・会話・お使い・収集で7割
  • Qキーで3人を切りかえる。ピンク・ブルー・イエロー
  • 敵は「悪い気持ちから生まれた影」。倒すのではなく必殺技で浄化する
  • お使いをこなすと「町のハッピー度」が上がる
  • ブラウザで動く。Vite+Three.js+JavaScript

仕様書そのものはChatGPTに書いてもらいました。26項目・A4で10ページ弱くらいの分量です。魔法少女ものの雰囲気を伝えるために、必殺技のイメージだけは有名作品の名前を出して説明しています(作品名は雰囲気の参照として書いただけで、ゲームのタイトルには使っていません)。

先に正直なところを書いておくと、3つの条件は完全には揃っていません。

  • ClaudeとAntigravityには同じ仕様書をそのまま渡しました
  • Codexには「再設計しないでそのまま実装して」という指示を付けて、規模を軽くした別プロンプトを渡しました(NPC6人・お使い3つ・収集10個・ショップなし)
  • エフォート(思考にかける手間の設定)も揃っていません。Claudeは超高、Codexは高→最後にULTRA、Antigravityは既定のままです

なので後半に出てくる「お使いの数」などの差は、能力の差というより注文の差です。そこだけ先にお断りしておきます。

Antigravity:だいたいエラーから始まる。でも、とにかく速い

まずAntigravity。これは毎回そうなのですが、最初はだいたいエラーから始まります。今回も一発目はこれでした。

画面が真っ黒で、四隅のUIパネルとゲージだけが表示されている
UIは出ているのに、肝心の3Dが真っ黒。一発目はこういうところから始まります

ただ、ここからが本当に速い。今回も10分かからずに形になりました。直すのも速いので、エラーで止まっている時間はほとんど気になりません。

桜並木と赤い日よけの屋台が並ぶ町。画面右上にきらめきのかけら1/20とハッピー度の表示
10分かからずここまで。屋台も提灯も花畑も、ちゃんと注文どおり入っています

この速さの何がいいかというと、他のモデルが作っている間に、こちらだけ先に進められることです。

Claudeの返事を待っている1時間のあいだに、Antigravity版には修正を入れて、お供のキャラを足して、追加要素をどんどん積んでいけました。走りながら形を変えていく、アジャイル型とでも言うような進み方です。

キャラクター交代の瞬間。白い紙吹雪のようなパーティクルと足元の黄色い輪。左上に仲間として白狐こはくと親友りんの表示
キャラ交代の演出。左上の「仲間:白狐こはく&親友りん」は仕様書に書いていない、あとから足した要素です

この白い狐と親友キャラは、仕様書には一言も書いていません。作っている途中で「お供がいたら可愛いな」と思って足したものが、そのまま入りました。

紫色の丸い敵と向き合う女の子。仲間のキャラが「ファイト!」と吹き出しで応援している
敵と向き合うと仲間が「ファイト!」と応援してくれます。こういう小ネタが勝手に増えていく

作りの甘さは正直あります。細かいところを見ると粗い。でも「とりあえず動くものを今すぐ見たい」という場面では、これが一番強いと感じました。

Claude:1時間待つ代わりに、穴がない

次にClaude。エフォートは超高(Opus 5)で投げました。

上がってくるまで1時間かかりました。正直、待っているあいだは「まだかな」と何度も画面を見ました。ただ、出てきたものを触った瞬間に納得しました。

のれんと提灯が並ぶ商店街。右手に「茶屋」の縦看板、通りには縁台とNPCがいる
商店街。のれん、提灯、縦看板、縁台。頼んでいない細かい小物まで置いてある

見た目もディテールも、バグも抜け目も穴もない。操作していて「あれ?」と引っかかる場所がほとんどありませんでした。カメラの寄り引き、キャラの歩く速さ、当たり判定、UIの読みやすさ。全部がちょうどいい。

キャラクターがブルーの子に切り替わった瞬間。画面中央に「あおいに チェンジ! たかくジャンプ」の表示
Qキーでキャラチェンジ。誰に替わったか、何が得意かがその場で出ます

キャラの切りかえも、「ももか=はやく走れる」「あおい=たかくジャンプ」「ひまり=かくれたキラキラがわかる」と、切りかえる理由がちゃんと遊びになっているのが良かったです。隠してあるキラキラは、ひまりに替えないと見つかりません。

川にかかる赤い太鼓橋と、並んだ小さな鳥居。画面中央に「町外れの辻」のエリア名が表示されている
エリアをまたぐと名前が出ます。川、太鼓橋、小さな稲荷。歩いているだけで楽しい
イエローの女の子が商店街を歩いている。右上にキラキラ12/20、60文の表示
おつかいをこなすとお金が増え、茶屋で団子や髪飾りが買えます

全体のバランスがとにかく良い。優等生、という言葉がいちばん近いです。時間はかかるけれど、出てきたものをそのまま人に見せられる状態で返ってくる。さすがの一言でした。

Codex:エフォートを上げたら、デザインが別物になった

最後にCodex。ここが今回いちばん発見がありました。

最初はGPT6の「高」で作らせたのですが、正直、見た目が微妙でした。動くけれど、絵として弱い。そこで最後にULTRAに上げて、デザインだけ手直しさせました。

淡い色調の町の広場。左に「町のおつかい」の一覧パネル、NPCの頭上に「!」マークが出ている
ULTRAで直したあと。色の置き方とUIの間の取り方が、ほかの2本と明確に違います

同じモデルとは思えないくらい変わりました。エフォートのレベルで、デザインのクオリティはかなり変わるという印象を受けています。

民家と民家のあいだの細い路地を歩く女の子。屋根瓦とローポリの桜が重なっている
路地に入ったところ。彩度を落とした色づかいで、全体が絵本のようにまとまっています

NPCの頭に「!」を出す、話しかけられる相手に名札を出す、おつかいの一覧を常に左に置く。プレイヤーが迷わないための設計が、いちばんはっきり入っていたのもCodex版でした。

鳥居のある神社の前。巫女のNPCと、紫色の丸い敵がいる
神社に出る「影」。怖くしないでという注文どおり、まん丸で目が大きい
ピンクのハートがたくさん飛んでいる必殺技の場面。「ピンクのハート!影の近くで光を届けよう」という案内が出ている
必殺技。倒すのではなく浄化する、という注文もちゃんと守られています

ひとつ注意点があって、GPT6のULTRAは5時間の利用制限に当たります。制限を節約するために、Codexには機能をかなり絞って軽めに作らせました。それでもこの仕上がりなので、こちらも流石の一言です。

強みはやはりデザイン力だと感じました。ULTRAを使って3Dの見た目を決める部分では、いまのところこれが最強という感触です。

3本を並べて数えてみた

気になったので、出てきた3本の中身を実際に数えてみました。行数は自動生成された部分やライブラリを除いた、実装ぶんだけの数です。

くらべる点ClaudeAntigravityCodex
できるまで約1時間10分以内高→ULTRAで手直し
ソース17ファイル/約5,200行17ファイル/約5,000行5ファイル/約1,040行
お使い7つ5つ3つ
キラキラ20個(5個は隠し)20個10個
ハッピー度♥5段階♥5段階♥3段階
操作キャラももか/あおい/ひまりさくら/あおい/ひまわりCharacterA/B/C
同行キャラねこ・いぬ白狐こはく・親友りんなし
起動HTMLを開くだけビルドが必要ビルドが必要

くり返しになりますが、Codexの数字が少ないのは、私がそう注文したからです(NPC6人・お使い3つ・収集10個)。能力の差ではありません。

面白かったのは、キャラクターの名前です。仕様書には「CharacterA/B/C」という仮の名前で書いてありました。ClaudeとAntigravityは勝手に日本語の名前を付けてきたのに、Codexだけは仮の名前のまま出してきた。「再設計しないでそのまま実装して」という私の指示を、いちばん素直に守ったとも言えます。

結局、どう使い分けるか

今回やってみて、私のなかでは役割がかなりはっきりしました。

  • Antigravity:最初の1本を爆速で立ち上げる。他を待っているあいだの手数を稼ぐ
  • Claude:人に見せる完成品にする。時間はかかるが穴が残らない
  • Codex(ULTRA):見た目を決める。デザインの手直しを任せる

そして今回いちばん効率が良かったのは、3つを同時に走らせることでした。Claudeに投げて、待っているあいだにAntigravityを動かして、出てきたものをCodexで整える。待ち時間がまるごと作業時間に変わります。

同じ仕様書でも、AIごとにこんなに「性格」が出るとは思っていませんでした。あと、仕様書の書き方ひとつでも結果がかなり変わる気がしています。細かく書けば忠実になるし、余白を残せば勝手に足してくれる。そのさじ加減は、まだ私も掴めていません。

3本とも、ここで遊べます

この記事で出てきた3本は、ページから選んでそのまま遊べるようにしました。

▶ 町めぐり 三番勝負(3本を選んで遊ぶ)

  • PCのブラウザ向けです(スマホは想定していません)
  • 操作は3本とも違うので、画面に出ている操作表示を見てください
  • Antigravity版とCodex版は、出てきたものをそのまま置いています。読み込みのパスだけ直しました

なお、この記事に書いた行数やファイル数は私が手元で数えたもの、時間の感覚は私が実際に待った体感です。同じモデルでも毎回まったく同じ結果にはならないので、あくまでこの日の1回ぶんの記録として読んでいただけたらうれしいです。

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。商品の価格・仕様は変更になる場合があります。