同じゲームの仕様書を1枚だけ用意して、Claude・Antigravity・Codex の3つに丸ごと渡してみました。
結果から言うと、3本とも最後まで遊べる形で返ってきました。ただ、出てくるスピードも、見た目も、作りの粘り強さも、びっくりするほど違いました。

私はエンジニアではないので、コードの良し悪しまでは判定できません。あくまで「注文どおりのものが、どれくらいの速さで、どんな顔をして出てきたか」という素人目線の記録です。3本とも実際に遊べるようにしたので、よかったら触ってみてください。
何を作らせたのか
お題は「江戸時代風の町を、かわいい女の子3人を切りかえながら、ただ歩いて楽しむ3Dゲーム」です。
- 戦うゲームにはしない。町歩き・会話・お使い・収集で7割
- Qキーで3人を切りかえる。ピンク・ブルー・イエロー
- 敵は「悪い気持ちから生まれた影」。倒すのではなく必殺技で浄化する
- お使いをこなすと「町のハッピー度」が上がる
- ブラウザで動く。Vite+Three.js+JavaScript
仕様書そのものはChatGPTに書いてもらいました。26項目・A4で10ページ弱くらいの分量です。魔法少女ものの雰囲気を伝えるために、必殺技のイメージだけは有名作品の名前を出して説明しています(作品名は雰囲気の参照として書いただけで、ゲームのタイトルには使っていません)。
先に正直なところを書いておくと、3つの条件は完全には揃っていません。
- ClaudeとAntigravityには同じ仕様書をそのまま渡しました
- Codexには「再設計しないでそのまま実装して」という指示を付けて、規模を軽くした別プロンプトを渡しました(NPC6人・お使い3つ・収集10個・ショップなし)
- エフォート(思考にかける手間の設定)も揃っていません。Claudeは超高、Codexは高→最後にULTRA、Antigravityは既定のままです
なので後半に出てくる「お使いの数」などの差は、能力の差というより注文の差です。そこだけ先にお断りしておきます。
Antigravity:だいたいエラーから始まる。でも、とにかく速い
まずAntigravity。これは毎回そうなのですが、最初はだいたいエラーから始まります。今回も一発目はこれでした。

ただ、ここからが本当に速い。今回も10分かからずに形になりました。直すのも速いので、エラーで止まっている時間はほとんど気になりません。

この速さの何がいいかというと、他のモデルが作っている間に、こちらだけ先に進められることです。
Claudeの返事を待っている1時間のあいだに、Antigravity版には修正を入れて、お供のキャラを足して、追加要素をどんどん積んでいけました。走りながら形を変えていく、アジャイル型とでも言うような進み方です。

この白い狐と親友キャラは、仕様書には一言も書いていません。作っている途中で「お供がいたら可愛いな」と思って足したものが、そのまま入りました。

作りの甘さは正直あります。細かいところを見ると粗い。でも「とりあえず動くものを今すぐ見たい」という場面では、これが一番強いと感じました。
Claude:1時間待つ代わりに、穴がない
次にClaude。エフォートは超高(Opus 5)で投げました。
上がってくるまで1時間かかりました。正直、待っているあいだは「まだかな」と何度も画面を見ました。ただ、出てきたものを触った瞬間に納得しました。

見た目もディテールも、バグも抜け目も穴もない。操作していて「あれ?」と引っかかる場所がほとんどありませんでした。カメラの寄り引き、キャラの歩く速さ、当たり判定、UIの読みやすさ。全部がちょうどいい。

キャラの切りかえも、「ももか=はやく走れる」「あおい=たかくジャンプ」「ひまり=かくれたキラキラがわかる」と、切りかえる理由がちゃんと遊びになっているのが良かったです。隠してあるキラキラは、ひまりに替えないと見つかりません。


全体のバランスがとにかく良い。優等生、という言葉がいちばん近いです。時間はかかるけれど、出てきたものをそのまま人に見せられる状態で返ってくる。さすがの一言でした。
Codex:エフォートを上げたら、デザインが別物になった
最後にCodex。ここが今回いちばん発見がありました。
最初はGPT6の「高」で作らせたのですが、正直、見た目が微妙でした。動くけれど、絵として弱い。そこで最後にULTRAに上げて、デザインだけ手直しさせました。

同じモデルとは思えないくらい変わりました。エフォートのレベルで、デザインのクオリティはかなり変わるという印象を受けています。

NPCの頭に「!」を出す、話しかけられる相手に名札を出す、おつかいの一覧を常に左に置く。プレイヤーが迷わないための設計が、いちばんはっきり入っていたのもCodex版でした。


ひとつ注意点があって、GPT6のULTRAは5時間の利用制限に当たります。制限を節約するために、Codexには機能をかなり絞って軽めに作らせました。それでもこの仕上がりなので、こちらも流石の一言です。
強みはやはりデザイン力だと感じました。ULTRAを使って3Dの見た目を決める部分では、いまのところこれが最強という感触です。
3本を並べて数えてみた
気になったので、出てきた3本の中身を実際に数えてみました。行数は自動生成された部分やライブラリを除いた、実装ぶんだけの数です。
| くらべる点 | Claude | Antigravity | Codex |
|---|---|---|---|
| できるまで | 約1時間 | 10分以内 | 高→ULTRAで手直し |
| ソース | 17ファイル/約5,200行 | 17ファイル/約5,000行 | 5ファイル/約1,040行 |
| お使い | 7つ | 5つ | 3つ |
| キラキラ | 20個(5個は隠し) | 20個 | 10個 |
| ハッピー度 | ♥5段階 | ♥5段階 | ♥3段階 |
| 操作キャラ | ももか/あおい/ひまり | さくら/あおい/ひまわり | CharacterA/B/C |
| 同行キャラ | ねこ・いぬ | 白狐こはく・親友りん | なし |
| 起動 | HTMLを開くだけ | ビルドが必要 | ビルドが必要 |
くり返しになりますが、Codexの数字が少ないのは、私がそう注文したからです(NPC6人・お使い3つ・収集10個)。能力の差ではありません。
面白かったのは、キャラクターの名前です。仕様書には「CharacterA/B/C」という仮の名前で書いてありました。ClaudeとAntigravityは勝手に日本語の名前を付けてきたのに、Codexだけは仮の名前のまま出してきた。「再設計しないでそのまま実装して」という私の指示を、いちばん素直に守ったとも言えます。
結局、どう使い分けるか
今回やってみて、私のなかでは役割がかなりはっきりしました。
- Antigravity:最初の1本を爆速で立ち上げる。他を待っているあいだの手数を稼ぐ
- Claude:人に見せる完成品にする。時間はかかるが穴が残らない
- Codex(ULTRA):見た目を決める。デザインの手直しを任せる
そして今回いちばん効率が良かったのは、3つを同時に走らせることでした。Claudeに投げて、待っているあいだにAntigravityを動かして、出てきたものをCodexで整える。待ち時間がまるごと作業時間に変わります。
同じ仕様書でも、AIごとにこんなに「性格」が出るとは思っていませんでした。あと、仕様書の書き方ひとつでも結果がかなり変わる気がしています。細かく書けば忠実になるし、余白を残せば勝手に足してくれる。そのさじ加減は、まだ私も掴めていません。
3本とも、ここで遊べます
この記事で出てきた3本は、ページから選んでそのまま遊べるようにしました。
- PCのブラウザ向けです(スマホは想定していません)
- 操作は3本とも違うので、画面に出ている操作表示を見てください
- Antigravity版とCodex版は、出てきたものをそのまま置いています。読み込みのパスだけ直しました
なお、この記事に書いた行数やファイル数は私が手元で数えたもの、時間の感覚は私が実際に待った体感です。同じモデルでも毎回まったく同じ結果にはならないので、あくまでこの日の1回ぶんの記録として読んでいただけたらうれしいです。